早く起きた朝は

森尾由美似の男が綴る雑感

「劇場」

 

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‪少し前から映画を観る習慣が戻ってきた。なので少しずつ映画館に通う。時間の都合が着くので見やすいこともあって。なによりこの状況なので映画関係者の方は大変かとは思うが、座席は両隣り、場所によっては前後も人がいないので落ち着いて作品を鑑賞できる。オンラインで見ると残席数が◎ではなく、◯や△なのも、設定を修正していないからだろう。一瞬混み合ってるのかな、と思うがよく考えてみると満席から着席禁止の席数を引くと、あらかじめ半分以上埋まっている表示になるのもなるほどなと思った。

 


そんななか1週間ほど前、「劇場」を映画館で観た。又吉直樹原作の恋愛小説を「GO」などで知られる行定監督が映像化。この作品もコロナ禍の影響で上映は延期されていてさらに全国上映も無くなったのだ。

 


ラストシーン、代々木公園の歩道橋、自転車の二人乗りの場面などいろんな場面ひとつひとつがたまらなかったな。舞台の下北沢やその周辺も馴染みのある場所ばかりなのもあるのでなおさらそう感じたのかもしれない。

 


思いがけず気持ちがやられてしまい、なんとも言えない余韻に浸りながら帰りたい気分だったので帰り道、電車を途中下車。サウナをきめて雨上がりの夏の夜道を数駅分散歩した。これも主人公の永田のように理由づけしたかっただけのかもしれない。

 


自分とは向き合うけど、現実を見れなかったり、大切な相手とは向き合えないが、甘えてしまったり。

 


永田が酔って薄暗い部屋に都合よく戻ってきて「手繋いでって言うたら明日も覚えてる?明日忘れてくれるんなら繋ぎたいと思って」と言って、彼女に守られていたのは自分の方だったと気づいたり。

 


「ここが1番安全な場所だよ」とやさしく微笑むあの空気と、その後に滲み出でくる疲弊してゆく姿。夢とふたりの関係との距離。

 


いっちょ前に苦しくなってしまった。そして愛しくもなった。

 


イヤホンからは今週の松岡茉優のラジオ「マチネのまえに」の行定監督ゲスト回が流れている。うんうんと頷きながら帰宅。もう一度観たい。‬

 

ラジオの中で「20代30代の若者向けの映画かなと思ったら、試写会で40代以上の男性が涙を浮かべながら私にすごくよかったと感想を伝えてきてくれたことが印象的でした。あれは私を見てるのではなくて、私が演じた沙紀ちゃんの後ろに元カノを透かして見てるんですよね、たぶん」と松岡茉優が語っていたのもおもしろい。

 

 

 

これまた少し時間が経ってしまったので、今週分の「マチネのまえに」を聴きながら携帯を打つ。

 


他にもいくつか映画を観たが、その中だと「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」がとても素敵だったな。

 


またちょっと更新しようと思う。

 

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よかったなと思った関係者の感想は下記。

 

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